情報職業論(スクーリング)
情報職業論のスクーリングに参加しました。
情報職業論はグループワークが中心のスクーリングで、講義は少なめです。最終日にグループ毎にプレゼンを行います。
情報社会倫理論の記事でも書きましたが、3日間の午後半日で開催されるので、午前に行われる情報社会倫理とセットで受けられるようになっています。
講師は有名なIT系企業で働いている方でした。参加している人は30人ほどいたようで、自分の周りには絵画系の人が多かったです。
今回の講義で学んだものは、大きく分けると下記のとおりです。
講義は、下記のような流れで進みました。
1日目
講義など
全体の流れの説明や、基本的な考え方の部分の解説チェックイン
グループ分けと自己紹介などグループワーク
ペーパータワーワークアウト
KPTによる1日の振り返り
2日目
アイスブレイク
グループ関係なく全員参加でのゲームブレスト
プレゼンに向けて意見のまとめワークアウト
KPTによる1日の振り返り
3日目
プレゼン資料制作
模造紙、PCでプレゼンの資料を制作プレゼン/質疑応答
1チーム5分で発表、5分で質疑応答とコメントワールドカフェ
各グループへプレゼンの感想を共有チェックアウト
KPTによる今日の振り返り
全体を通して、3日間の旅に例えられているようで、最初はチェックイン、最後はチェックアウトとなっています。また、1日ごとの最後には、必ずKPTでの振り返りがありました。
最初の講義の中では「シン・ニホン」というTEDでのプレゼンの解説がありました。
スクーリングの中で学んだキーワードなどを個別にまとめておこうと思います。
PDCA
社員研修などで聞いたことがある人は多いと思います。
Plan(計画)Do(実行)Check(評価) Action(改善)を順番に繰り返すことで業務を継続的に改善する手法です。
今回のペーパータワーを例に説明すると、
- ペーパータワーを作る前に、どのように積み上げていくかを話し合う(Plan)
- 話し合った結果から、ペーパータワーを積み上げる(Do)
- 1回目の挑戦から、良かった点、悪かった点、周りのグループのアイディアなどをまとめ、より良い方法を考える(Check)
- 改善した方法でもう一度ペーパータワーを積み上げる(Action)
という流れになります。必ず1回目よりも2回目が良くなるとは限りませんが、繰り返すごとに改善が進んでいきます。
ループ図
ループ図はシステム思考で使用するツールの一つで、要素と矢印で構成されています。調べると+や-、SやOといった符号がつくようですが、スクーリングでは要素と矢印のみを使用しました。
文章だけでは説明が難しいので、詳細な説明は割愛します。
ブレスト(ブレインストーミング)
ブレインストーミングとは、会議の手法の一つです。 ブレストはディベートではないので、相手の意見を否定しないことに気を付ける必要があり、相槌を「なるほど」とすると良いそうです。
スクーリングでは深い説明はありませんでしたが、調べてみるとブレインストーミングの4原則というものがありました。
- 判断・結論を出さない(結論厳禁) 自由なアイデア抽出を制限するような、批判を含む判断・結論は慎む。判断・結論は、ブレインストーミングの次の段階にゆずる。ただし可能性を広く抽出するための質問や意見ならば、その場で自由にぶつけ合う。たとえば「予算が足りない」と否定するのはこの段階では正しくないが、「予算が足りないがどう対応するのか」と可能性を広げる発言は歓迎される。
- 粗野な考えを歓迎する(自由奔放) 誰もが思いつきそうなアイデアよりも、奇抜な考え方やユニークで斬新なアイデアを重視する。新規性のある発明はたいてい最初は笑いものにされる事が多く、そういった提案こそを重視すること。
- 量を重視する(質より量) 様々な角度から、多くのアイデアを出す。一般的な考え方・アイデアはもちろん、一般的でなく新規性のある考え方・アイデアまであらゆる提案を歓迎する。
- アイディアを結合し発展させる(結合改善) 別々のアイデアをくっつけたり一部を変化させたりすることで、新たなアイデアを生み出していく。他人の意見に便乗することが推奨される。
また、ブレインストーミングでは以下の役割を持った人がいることが大切です。
- タイムキープ
議論の時間は限られているため、残り時間を都度知らせる役目です。
- ファシリテート
議論の中で、発言を促したり、話の流れを整理したり、認識の一致を確認したりする役目です。
議論の場では、正しさや合意を無視して、(物理的な意味だけでなく)声の大きい人の意見が通ってしまうことがあります。そういうことを防ぐために、全員から意見を聞いたり、認識を一致させることが重要です。
振り返り(KPT法)
一日の最後には必ずKPTによる振り返りをしました。KPTとはKeep、Problem、Tryの頭文字で、もとは下記の文となっているようです。
- What we should keep.(続けるべきこと)
- Where we are having ongoing problems. (抱えている問題)
- What we want to try in the next time period. (次にトライしたいこと)
手法としては少し内容が異なり、Kは良かったこと、Pは悪かったこと、Tは次に向けて続けたい点や改善したい点を挙げます。
そのまとめ方は各グループに委ねられていて、個々で考えてたあとにみんなでまとめたり、KPTそれぞれをみんなで一緒にまとめるなどしました。
参考:【徹底解説】正しい「KPT」が仕事の成果を生み出す!進め方のコツ、現場の事例を紹介 | SELECK [セレック]
ワールドカフェ
ワールドカフェとは、討論の形式の一種です。
公式ページには、下記のように記載があります。
参加者が本当に話し合いたいテーマについて、自由に意見を出し合い、お互いの思いや考えの背景について探求し、相互理解を深めることを目的としています。
公式ページには会場の手配から開催告知など大掛かりなものが書かれていますが、今回はプレゼンの感想をそれぞれのグループへの共有でした。他のグループのプレゼンを見て、良かった点をまとめておき、グループで半分に分かれて、残る人は他のグループの意見をメモし、残りの人は他のグループへ良かった点を伝えて回ります。ここで伝えるのは、良かった点のみです。
これらの知識を言葉だけで知っているより、実際に体感することで、後で応用がしやすいということです。
体感していろいろなことを学ぶことができるので、グループワークに抵抗がない人であれば、おすすめの科目です。