今年のまとめ(キーボード関係)
今年のキーボード関係のことをまとめておきます。
自作キーボードを本格的に始めたのは今年に入ってからでした。キーボードを作ってみたいとは思っていたのですが、自作キーボードのキットが有ることを今年知り、購入するようになりました。
かなり長くなってしまいましたが、備忘録も兼ねて、キーボードやスイッチについてまとめておこうと思います。
キーボード
今年作ったキーボードの一覧です。まとめると7個のキーボードを組立てていました。
Ergo42
Biacco42さんが設計したキーボードです。
Why Ergo42? - 私が Ergo42 を作った理由 - たのしい人生
技術書典4で販売していたものを購入し、kailhロープロファイルで組み立てました。
片側28キーの合計56キーでOrtholinear (格子配列)になっています。UnderGlow無し、BackLight無し、OLED無しでシンプルな見た目なので、仕事でも使いやすいと思います。
名前の42は、キー数ではなく、生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答えからということです。
BlocKey (マットクリア)
eucalynさんが設計したキーボードです。
BlocKey(キャップ付) – ゆかりキーボードファクトリー
Boothで販売が始まったときに購入しました。
一体型のキーボードで合計63キー(shiftキーは2個一組)、一般的なキーボードに多いStaggered(千鳥配列)と同じような配列になっています。また、UnderGlowに対応していて、標準で4個のLEDが付いています。
通常のキーボードのように両手の5本指を使って入力することは難しいですが、ゲームのコントローラを持つようにして親指で入力すると使いやすく、スマホなど、小型のものに入力するのに向いています。
Crkbd (V1.1)
foostanさんが設計したキーボードです。
Corne Keyboardをつくった話 - log.fstn
片手21キーの合計42キーで、配列はColumn-Staggered(縦にずれた格子配列)です。UnderGlowもしくはBackLightに対応していて、OLEDも使用できます。
Maker Faire Tokyo 2018で完成品を展示していたのを見て作ってみたいと思ったのですが、すでに売り切れで購入できない状態だったため、Githubからデータをお借りして、必要なものをすべて自力で集めました。
会社で使用することを考えていたのでLEDは未実装にするつもりでしたが、はんだ付けの腕試しでBackLightを実装しました。その時は300℃で実装してしまったため、たくさん壊してしまいました…。
Kailh SpeetとKailh Pro、R11 Tiffany Blue Tealiosを組み合わせて組み立てましたが、1つのキーボードにいろいろな種類のスイッチを乗せるのはやめたほうが良いと思います。実際に使ってみると、スイッチによって入力される深さが異なるため、入力しづらくなりました。特にAuto-shiftには向いていません。
Corne Cherry(マットブラックPWBプレート)
2個めのCorneです。
技術書典5で販売していたものを購入しました。これまで作ったキーボードからどのキースイッチが良いかを考えたどり着いたのが「重めのタクタイル」で、「すべて同じスイッチを使用する」、という答えだったので、Zilentの67gを使って組み立てました。(今考えると78gでも良かったと思います)
その結果、キーが打ちやすく、QMKの機能であるAuto-Shiftも使いやすくなり、今のメインキーボードとして使っています。
BlocKey (クリア)
2個めのBlocKey です。
技術書典5で販売していたものを購入しました。aitendoで見つけたカラフルなタクトスイッチを実装して、LEDも増設しています。
黒い部分(ダイオード)が表側に出ないようにジャンパ線を使って裏に配置するなど、かなりこだわりました。
付属のスイッチを使ったBlocKeyと比べると、印象がかなり違います。
Froggy
pluis9さんが設計したHelixにオプションのキーキャップを付けたものです。
天下一キーボードわいわい会でキーキャップを購入したあとに、遊舎工房さんでHelixを予約購入し、kailh choc Burnt Orangeで組み立てました。
片手のみ32キーで、Ortholinear (格子配列)になっています。frogpadというキーボードが元になっているようで、片手用のキー配列になっています。
キーキャップはUVプリントで文字が印刷されていて、レイヤーの切り替えキーは感触でわかるように、透明な凹凸がついています。
LEDの光り方が水の波紋のように、押したキーから広がるようになっています。また、LEDの色が選択されているレイヤーによって変わります。
このときのLED実装ではこて先温度を240℃~250℃にしたので、壊さずに実装できました。鉛フリーでは最低でもこれくらいの温度が無いと厳しいです。
ATACK25(LP Version)
monksoffunkJPさんが設計したキーボードです。
Attack25 LP : Kailh Low Profile Version – techsp
Boothで販売が始まったときに購入し、メインで使用しているCorneのキー数が少ないので、補助的な役割として使おうと購入しました。
テンキーの拡張版のような役割で、25キー、Ortholinear (格子配列)になっています。
会社で使うため、はじめはBackLight無しで作ろうと考えていましたが、BackLightが点灯している完成写真を見るときれいだったので、実装しました。その結果、会社でも点灯させて使っています。
ロープロファイル版で白のキーキャップを付けた場合、全体が白で統一されるので、LEDの光が映えます。
Treadstone48
marksardさんが制作したキーボードです。
Treadstone48を作ってみた | キオクノロンダリング
左右一体型47キーの変形Row Staggerd配列です。
自作キーボードでは修飾キーやEnterキーなどに1Uのキーキャップを使っているものが多いですが、このキーボードでは1.25U~2.25Uのキーキャップを使っているので、キーキャップセットをそのまま使用できます。
クリスマスに購入してまだ組み立てができていませんが、スイッチやキーキャップをじっくり選びながら組み立てたいと思います。
キースイッチ
キーボードを作る際に購入したキースイッチの一覧です。たくさん種類があります。キーボードに使わなかったものもあります。
ロープロファイル
kailh製の軸で、Cherry MX系の軸よりも背の高さが低いスイッチです。本体ケースはどれも上が透明で下が黒になっています。
Cherry MXとはピン配置が異なるため、対応している基板でなければ実装することができません。また、軸の形も異なるので、Cherry MX用のキーキャップも使用することはできません。
はんだ付け用の足2本と固定用の足3本の5pin仕様です。
LED用の空間は空いていますが、LEDのピンを通す穴はありません。背の高いLEDは上蓋に干渉してしまうため、表面実装のLED向けのようです。
軸部分にはKailhのロゴマークがあり、本体にKailhの文字があります。
茶軸
タクタイル動作で、動作圧50±10gf、タクタイル圧60±10gfの軸です。
CPG135001D02-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
赤軸
リニア動作で、動作圧50gf±10gfの軸です。 CPG135001D01-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
白軸
クリッキー動作で、動作圧50±10gf、タクタイル圧60±10gfの軸です。
CPG135001D03-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
LED穴の中にクリックバーが見えます。
kailh choc Burnt Orange
タクタイル動作で、動作圧70±10gf、タクタイル圧70±10gfの軸です。
CPG135001D02-1-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
赤軸と色が似ていますが、動作も重さも異なります。
これ以外にも動作や重さが異なるものが数種類販売されています。
Cherry MX系
かなり種類の多いスイッチです。 様々なメーカーで制作されていて、メーカーによって本体の形や軸の特性が異なります。
Cherry製
ドイツCherry社によるスイッチで、1985年頃から販売されているそうです。
本体ケースは上も下も黒なので、基板に表面実装するBack Lightには向いていません。
固定用の軸なしの3pinタイプと、固定軸ありの5pinタイプがあります。(写真は固定用軸なし3pinタイプ)
リードLEDを通すための穴も空いています。
本体にはCherryの文字とシンボルマークが付いています。
Cherry 赤軸
リニア動作で、動作圧約45gf(45cN)の軸です。
Cherry 黒軸
リニア動作で、動作圧約61gf(60cN)の軸です。
Cherry クリア軸
タクタイル動作で、動作圧約66gf(65cN)の軸です。
Kailh Pro
Kailh製のMX互換スイッチです。
本体ケースは上が透明、下は白色になっています。
LEDを通す穴が空いていて、裏側にも大きな空間があります。
Kailh Pro Burgundy
リニア動作50gfの軸です。
CPG151101D221-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
Kailh Pro Purple
タクタイル動作50gfの軸です。
CPG151101D222-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
Kailh Pro Light Green
クリッキー動作50gfの軸です。
CPG151101D223-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
Kailh Box
防水防塵のキースイッチです。
リードLEDを通せそうに見えますが、穴が空いていないので通すことはできません。
Kailh BoxのケースはKailh SpeetやKailh Proとは異なっていて、固定用の軸に穴が空いていたり、それ以外も形に違いが見られます。
赤軸
リニア45±10gfの軸です。
CPG1511F01S04-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
茶軸
タクタイル動作で、動作圧45±15gf、タクタイル圧が60±10gfの軸です。
CPG1511F01S03-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
白軸
クリッキー動作で、動作圧が45±15gf、タクタイル圧が55±10gfの軸です。
CPG1511F01S02-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
黒軸
リニア60±10gfの軸です。
CPG1511F01S05-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
Kailh Speed
全体的に押下圧が軽く、動作接点までの距離が短いスイッチです。
本体ケースは上が透明、下は白色になっています。
LED用の穴も空いています。
慣れれば高速に入力することができると思いますが、軽く触れるだけで入力されるので、自分には向いていませんでした。 (キーボードの上に手を載せていると誤入力されてしまいます)
Silver
リニア動作で40±10gfの軸です。
CPG151101D212-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
Copper
タクタイル動作50±10gfの軸です。
CPG151101D213-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
Gold
クリッキー動作60±10gfの軸です。
CPG151101D211-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
Rose Pink
クリッキー動作50±10gfの軸です。
CPG151101D215-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
Gateron
Kailhと同じく様々なスイッチを製造しているメーカーです。
赤軸
リニア動作45gの軸です。
白軸
リニア動作35gのかなり軽い軸です。
New Giant
aitendoで購入したスイッチです。
調べてみてもよくわかりませんが、redditには、aliexpressでGateronやOutemusのスイッチを注文したらこのスイッチが納品されたという書き込みがありました。
aitendoの商品ページには簡単な説明しかなく、茶軸(タクタイル)、黒軸(リニア)、青軸(クリッキー)、赤軸(リニア)ということしかわかりません。
本体上部にはNew Giantの文字があります。
LED取付用の穴も空いています。
ボックスの軸は独特な形をしています。
ケースはKailh Proと似ています。
青ボックス軸(黒)/ 青ボックス軸(白)
軽めのクリッキーです。
他のスイッチと比較してみると、45gの軸と同じくらいに感じます。(正確に計測したわけではありません) 本体の色以外は、軸の重さもクリック音も同じようです。
青軸(黒)/ 青軸(白)
このスイッチも軽めのクリッキーです。
ボックス軸と比較すると、わずかに重く、少しだけクリック音が小さいようです。 同じく本体の色以外は、軸の重さもクリック音も同じようです。
赤軸(白)
軽めのリニア軸で、青軸のスイッチと重さが同じくらいです。
Tealios / Zilent
GateronがZeal PC向けに製造しているスイッチで、GateronのKS-3をベースにしているようです。
本体は全体が透明で、固定用のピンを含む5pin仕様です。
リードLEDを通す穴も空いています。
スプリングは金メッキされています。
本体にはGateronの文字があります。
R11 Tiffany Blue Tealios
リニア動作、動作圧67gの軸です。
R11 Blue Zilentの62g軸と色が似ています。
R11 Blue Zilent
静音仕様のタクタイル動作で、62g、65g、67g、78gの4種類があり、色が濃くなるほど重くなります。
Aliaz Silent
KBDfansが再設計したGateron製のスイッチです。
タクタイル動作で、軸の重さは60g、70g、80g、100gがありますが、軸の色は変わらないようです。
本体は全体が透明で、固定用のピンを含む5pin仕様です。
LED用の穴も空いています。
本体にはGateronの文字があります。
見た目と動作がR11 Blue Zilentに似ていますが、LED用の穴の形状が少し異なります。
また、使われているスプリングは金メッキされていませんでした。
静音スイッチということでR11 Blue Zilentと比べてみると、接点が接触する際の金属音が抑えられているように感じました。
Kailh Mid-height
Cherry MXが使用でき、Cherry MXより背が低いスイッチです。ただ、Low ProfileともMXともピン配置が異なるため、専用の設計が必要です。
ケースは上がマットホワイト、下は動作によって色が異なります。軸はすべて白です。
ケースにはKailhのマークと文字があります。
裏面はMXと似た配置になっていますが、微妙に異なります。固定用の軸の細い2本は、円形ではなくひし形になっています。
茶軸
タクタイル動作45±15gfの軸です。
CPG128001S03-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
赤軸
リニア動作45±15gfの軸です。
CPG128001S01-【Dongguan City Kaihua Electronics Co., Ltd】
好みのスイッチを探す
自分の場合、スイッチの動作で気になる部分は下記の3点でした。
- 軸の重さ
- 軸の滑らかさ(ぐらつき)
- タクタイルの感触(重さ)
キーキャップが付いていない状態で軸を押すと、キーキャップが付いている状態と比べて軽く感じます。そのため、軸の感触を確認する際には、キーキャップを付けている状態で行ったほうが良いです。
Crkbdの欄にも書きましたが、1つのキーボードにいろいろな種類のスイッチを乗せるのはやめたほうが良さそうです。最初のCorneを作ったときに3種類のスイッチを使ったのですが、スイッチによって入力される深さが異なるため、入力しづらくなりました。(同じシリーズの重さ違いなら大丈夫だと思います)
いろいろと使ってみた結果、タクタイル動作で重めの軸が好みだとわかりました。ロープロファイルではkailh choc Burnt Orange、Cherry MX互換ではR11 Blue Zilent 78gが今のところ合っていそうです。Outemu Ice Gray(75gのタクタイル)や、今あるスイッチのスプリング交換も試してみようと思います。
色々なスイッチを試していると、スプリング交換やLubeも試してみたくなります。
来年は新しいキーボードを組み立てるよりも、オリジナルの自作キーボードを頑張りたいと思います。