Key3ビルドガイド(タクトスイッチ版)
Key3 タクトスイッチ版のビルドガイドです。内容が同じ部分があるため、一部の写真ではMX版の写真を使用しています。
必要な道具
必須の工具
- はんだごて
- はんだごて台
はんだごては温度調整機能付きのものだと作業がしやすくなります。通常のハンダ付けであれば、300℃~320℃くらいの温度設定できるものがいいです。
こて台のこて先洗浄部分は、金たわしのタイプでもスポンジに水を含ませるタイプでもどちらでも大丈夫です。
こて先の形状は、BC型(円錐を斜めに切った形)がおすすめです。ほとんどの機種でこて先は専用なので、購入時型番に注意してください。
[HAKKO] | こて先選択ガイド | BC/C型の使い方・使用例
- ピンセット
表面実装のリセットスイッチをはんだ付けする場合や、スイッチの足を真っ直ぐに揃える場合に使用します。
- ニッパー
TRRSケーブルのピンを短く切る際に必要です。
- ドライバー
組み立ての際に必要になります。サイズはプラスのNo1サイズです。
あると便利な工具
- マスキングテープ
部品のはんだ付けをする際に、マスキングテープで固定すると作業がしやすく、火傷の危険も少なくなります。はんだ付け時に高温になる可能性がありますので、ビニルテープやセロハンテープなどで代用はしないでください。
- フラックスクリーナー
はんだに含まれているフラックスは、長時間熱すると茶色く変色するので白い基板上では目立ちます。フラックスリムーバーがあると、きれいに拭き取ることができます。ただ、溶剤なので使用する場合は換気が必要です。
必要な部品
次に必要な部品です。まずはセットに含まれている部品の一覧です。
セットに含まれる部品
名称 | 数量 | 備考 |
---|---|---|
Parts Plate | 1 | 部品実装用基板 |
Bottom Plate | 1 | 底面保護用基板 |
Pro Micro | 1 | |
ロープロファイルピンヘッダ | 2 | 12ピン |
基板スペーサ | 2 | 12ピン用 |
タクトスイッチ | 12 | 12mm X 12mmスイッチ |
タクトスイッチ | 1 | リセット用スイッチ |
TRRSジャック | 2 | |
丸型6mmスペーサ | 4 | |
セットなべ小ねじ2x4mm | 8 | スプリングワッシャー付きねじ |
クッションゴム | 4 |
動作に必要な部品はすべてセットに含まれています。注意点として、Pro Microの実装部分が特殊ですので、スプリングピンヘッダは使用できません。
一覧には記載していませんが、キーボード間の通信にはTRRSケーブル(4ピン)、TRSケーブル(3ピン)のどちらも使用できます。
組み立て手順
ここから組み立ての手順を説明ていきますが、作業を進める上で失敗を防ぐために、気をつける点があります。
先に手順を一通り確認しておく
組み立て手順は、はんだ付けや組み立てのしやすさだけでなく、場所によっては物理的に作業ができるように手順を考えています。組み立ての順番を間違えてしまうと、はんだ付けの難易度が上がったり、はんだ付けができなくなる場合がありますので注意してください。
修正が可能な段階でよく確認してから進める
部品を完全にはんだ付けしてしまうと後から修正が難しいものが多くあります。1箇所だけや対角線の2箇所だけをはんだ付けして仮止めした状態であれば修正は可能なので、その状態で部品の向き、裏表、浮き、傾きなどを確認してから進めることで、失敗の可能性が少なくなります。
また、ここでは手順と注意点のみの説明で、はんだ付けの詳しい方法は解説していません。はんだ付けは別の記事で説明していますので、はんだ付けに自身が無い場合はそちらの記事も確認してみてください。
ソルダジャンパ
他のキーボードとの通信方向を設定します。Txが送信でRxが受信です。 それぞれ内側をジャンパした場合、表にしたときに右側が受信、左側が送信となります。
通信の際にマイコンが壊れる可能性があるので、両側を同じ設定にしないでください。(両方とも内側か、外側になっているのが正しい状態です)
また接続するキーボードは、すべて同じ設定にしてください。
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リセットスイッチ
Pro Microを外部からリセットするためのスイッチを実装します。
プログラムの改造などの際に、キー入力が常に行われるなどの暴走状態になった際に2回連続で押すと、約8秒間待機状態になります。
Arduino IDEでの書き込み時には、リセットスイッチを押す必要はありません。
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ピンヘッダ
Parts Plate側にピンヘッダを実装します。この時点ではピンヘッダだけの実装で、まだProMicroは実装しません。このとき、注意点がいくつかあります。
- ピンヘッダの向きに気をつける
- PWBスペーサを間に挟む
ピンヘッダはピンが長い側と短い側があります。長さと高さ調整のため、ピンの長い側にPWBスペーサを挟む必要があります。PWBスペーサはParts Plate側、Pro Micro側のどちらでも問題ありませんが、ここではParts Plate側にしています。
- ピンヘッダの浮きに気をつける
ピンヘッダが基板に密着していないと、Pro Microが斜めについてしまうだけでなく、位置が高くなるのでBottom Plateと接触する可能性があります。
- ピンヘッダの傾きに気をつける
ピンヘッダが傾いて実装されると、Pro Microが入らなくなる可能性があります。
ピンヘッダの傾きと浮きを抑えるため、Pro Microを差し込んで押さえた状態で固定してはんだ付けをするのがいいと思います。
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TRRSジャック
通信用のTRRSジャックを左右2箇所にはんだ付けします。部品1個に4本のピンがあるので、2つで8箇所のはんだ付けが必要です。
タクトスイッチの場合、Switch Plateが無いので部品の干渉の心配はありませんが、見た目を気にする場合はピンを短く切ります。Lead Cut Toolに部品を差し込み、外に出ている部分を切るとちょうど良い長さになります。ニッパーを平面に押し付けて切ってしまうと短く切りすぎてしまうので、軽く当てる程度で切ってください。 またLead Cut Toolにはバリがあるので、取扱に注意してください。
ピンを短く切った場合は注意点があります。ピンを短く切ると、見た目ではんだ付けが出来ているように見えても未はんだになっていることがあります。溶かしたはんだを流し込むことを意識してはんだ付けしてください。 ケーブルで通信する場合、未はんだ状態で通信するとノイズにより暴走状態となる(ランダムにキーが入力される)可能性があるので、はんだ付け後、組み立て前にテスターで導通確認を行ってください。
ピンを切った部品を差し込み、はんだ付けします。位置決め用のピンがあるので、大まかな位置は差し込むと決まります。
反対側も同様にはんだ付けを行います。
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タクトスイッチ(取り付け)
タクトスイッチをParts Plateに取り付けます。
差し込んだ後に傾いていないか確認してください。
Pro Microの下になる部分のピンは、ピンヘッダにスペーサを入れているため接触する可能性は少ないですが、心配な場合は短く切ったり、絶縁テープで保護してください。
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タクトスイッチ(はんだ付け)
Parts Plateに取り付けたスイッチのはんだ付けを行います。
はんだ付けの前にすべてのピンが出ていることを確認してからはんだ付けを行います。
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Pro Micro
はんだ付けの最終工程として、Pro Microのはんだ付けを行います。Pro Microを実装してしまうと、その下側にあるスイッチは修正できなくなりますのでよく確認してから作業を進めてください。
仮止めした後、上下左右の横方向から見て浮きがないことを確認してください。
ここのはんだ付けが終われば、はんだ付け作業は終了です。
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Bottom Plate組み立て
最後にBottom Plateを取り付けます。
スペーサに穴を合わせ、4mmのネジで裏表8箇所を止めます。その後、四隅にクッションゴムを取り付けて組み立ては完了です。
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ファームウェア書き込み
ファームウェアは別記事にて説明していますので、そちらをご確認ください。